しこり形成悪循環仮説と治癒


 以下に掲載する仮説と図は、人に達するとはどういうことかを基本的原理から仮説を立てて学ぶたくみの会の、フルスペックライセンシー、未来感覚循環(ミラージュ)トレーナーの福井が、これまでセミナーで学んだこと、取り分け"認知の心理学"、“未来感覚循環トレーニング”、"超越心理学"のDVDを参考にしたものであり、たくみの会オリジナルのものではありません。

 たくみの会は、人間本来の機能、能力を、仮説を立て、検証し、再現性を高めていく研究であり、その具体的な素材、メソッドの開発です。一方この「しこり形成悪循環仮説と治癒」について記載する事は、私福井が2004年に自費診療の和真クリニックを開業せざるを得ず開業し、これまで実地臨床で触れた様々の方から身を持って教えられ、私自身の身をもって実感していること、人間の本来の機能、能力を損なって行く過程をたくみの会の基本的な仮説に当てはめて、まとめたものです。

 世のいわゆる疾病、病、病気に関して私なりの認識で、健康保険医療ではない自費診療で開業せざるを得なかったその原点の基本的な捉え方をより詳細にたくみの会の人間仮説を用いて説明したものです。人間の基本的原理原則はたくみの会独自の仮説であり、疾病、病、病気その他辛い状態に陥っていく過程、悪循環についての仮説理論は、たくみの会の仮説を応用した私なりの説明です。

 以上、ご理解、ご了承した上でご覧下さい。

 

2019.08.20 初版  2019.08.30改変 和真認知楽習塾塾長 福井和彦


 しこりとは、過去の感覚、知覚、認知の結果、積み重なり形成された心、感情、気分の固まり(不平不満、怒り、恨み、つらみなど)であり、その感情形成の最初のエピソードの際に随伴性を持ってしまった事象(状況)、対象(対象物、対象者)に日常生活の中で暴露されるとさらにその結果の感情を増強させ、しこりが強固なものになってしまう。(そもそも人間の認知と行動ということについての理解がないとの部分の説明もこれだけでは不十分かも知れません。認知の心理学”についての福井の理解 を参照して下さい。)

 一度この悪循環を形成してしまうと、新たな広義の対象(狭義の対象、事象)に対しても適正な認知が行われず、その新たな対象に対しても随伴性を持ってしまい、そのしこりをどんどん増悪させ、強固なものにして行ってしまう。

 

 いわゆる坊主憎けりゃ袈裟まで憎い!さらには袈裟が憎けりゃ袈裟を作る人、袈裟をクリーニングする人まで憎い!というところまでも悪循環する。

 

 即ち、同じようでも決して同じであり得ない一期一会の日常生活事象、人間関係においても、過去に形成された認知(記憶)(思い込み、過去へのとらわれ)が想起され、新たな認知と行動とはならず、新たな心も、感情も形成されず、同じしこりの形成の繰り返し、堂々巡りとなり、しこりをしっかり強固なものにして行く。

 さらに、そのしこりは、無意識のうちにストレス、過緊張となり、生体としての恒常性(ホメオスタシス)、人間としての3面の自分の自己循環機能へも影響を与える。

 自律神経系、内分泌系、細胞性・液性免疫系、消化器系、感覚知覚運動系、呼吸循環器系などの様々な恒常性を乱し、自分自身を客観的にモニターするメタ認知機能(主体という自分)、運動行動の現場の身体(実体という自分)、その結果形成される心、感情、気分(客体という自分)の三面の自分の自己循環も凍らせ循環しなくなり、益々固着した居着いた意固地な自分となってしまう。

次第に身も心も蝕まれ絶大な効果と結果をもたらす。

 

 程度が軽ければ、便秘、下痢、肩こり、首こり、 腰痛、その他の筋肉の痛み、関節の痛みと可動制限となり、あるいは、頭痛、偏頭痛となり、薬を飲まざるを得なくなり、飲んで効いているうちはまだしも、偏頭痛のあまりの痛さに家の中を走り回ったりする。さらには、自律神経失調、不眠、心配、不安からうつ状態からうつ病、原因不明の身体の部分的違和感から身体表現性障害、そして、感情的なしこりのみならず、果ては、実際に身体の”しこり”として、"乳がん"を初めとしたその他の"がん"といわれる”しこり”までも生み出し育ててしまう。

 

 一度この悪循環が形成され、本来の恒常性も破綻し種々様々な訴え、症状として表現され来て、その部分的、表面的、一時的なことでそれぞれに個別に名前が付けられ、名前に応じた即効性のあることが、世間一般では、行われる。が、本質ではない表面的なことなので、本質的に改善回復することはない。

しかしながら、辛い体験経験を積むに従い、自分で、その事に気付いて、"自分では、分かっている"という認識に至ることもある。

 が、それが既に習い性になっており、自分だけではなかなかそこから抜け出せないどん底状態。ただ、泥沼でも底が存在すれば良いが、残念ながら、底なし沼であるのが現実!

 

 さらに、"自分では、分かっている"とは言うものの残念ながら、本人にとって想像も出来ないこと、あるいは想像出来ても受け入れがたいことは、あくまでも三面の自分の自己循環を阻害しているのは、過去に囚われている客体の自分であるという事実。その事実に直面しようとすればするだけ、随伴性を持ってしまった他者(対象物、対象者、人間関係、生活・仕事環境)が原因であるという信念がさらに強化され、中核信念となってしまう。

そのことを周囲から指摘され、自覚しそうになると、自覚するその前に自己防衛が働く。それだけしっかりこの悪循環が習熟され、他責も習い性となり、それがその人となってしまう。他責という認知から自責という認知にシフトしない限り、この”しこり形成悪循環”を受け入れ、理解し、抜け出すことは出来ない。

 

 

 ”しこり”の種をまき、水をやり、手間暇掛けしっかり育てているのは誰でもない!

 

その事にさえ気付ければ、その悪循環の鎖を断ち切り、抜け出せる。

何とか、この悪循環に陥っている客体の自分から主体の自分にシフトして、自分を取り戻して欲しい。

 

 また、その治療の対象は、片頭痛、腰痛から果ては身体的”しこり”、"がん"等の結果としての症状ではない。

 

”しこり”を解放する事も大事ではあるが、それは治療のほんの手始めでしかない。本当の治療、悪循環を断ち切り取り戻し、回復すべきは、出来た結果の”しこり”の消失ではなく、しこりを生成する必要の無い本来の人間としての健やかなありよう、即ち、人間本来の機能、恒常性と三面の自分の自己循環機能である。


乳がんを例としての和真認知楽習塾としてのがん治療のとらえ方


 下記に、がん治療についての当塾の考え方を図示すると共に考え方を述べてみたい。

 数学の問題を解くにしても、人間に関しての問題を解くにしても、その鍵は、きちんと問題そのものを明確にすることである。問題でないことを問題にしないために、あるいは不明瞭な問題をきちんとした問題とするために、まず、必要なのは適切な現状把握(現在認知)である。

 スタート地点が違っていたら、進む方向は同じでも、到達するところ、目的地は異なってしまう。基本的な事を誤解していたら、正しい問題解決には至らない。しかし、分かっているようでその認識が本質とずれていると、やはり本質的な事を考え、本質的な結果を導くことは出来ない。

 次に、目的は何か?をきちんと明確にする。

”がん”というものを、考えるに際しても、仮定として3つ上げられる。

 

仮定1.治らない=人間には治す機能、能力がない

仮定2.治るか治らないか分からない

仮定3.治る=人間には治す機能、能力がある

 

仮定1であれば、特に問題とはならない。ああ、そうなんだと受け入れるだけ!

 

仮定2:治るか治らないか分からない、即ち人間に治す機能、能力(治癒システム、自己治癒力)があるのか無いのか不明である。分からないのが問題だという問題の立て方もあるが、次の2つに分かれる。

不明にも関わらず無いと思うのであれば、仮定1と同じ。特に問題とはならない。

現時点では不明だが、治癒システム、自己治癒力があると信じるのであれば、次の仮定3と同じ。

 

仮定3:治癒システム、自己治癒力があると仮定するなら、ではどうやってそれを引きだし、活性化させるかが問題となる。

 

未来の目的に向けて、即ち、治癒する、治るという目的を設定するのであれば、当然、仮定3に立つしかない。

 

本質的に物事を考えやすくするために、”乳がん”という固形腫瘍を次の様に捉えてみた。基本的には固形腫瘍だろうが、非固形腫瘍(血液、骨髄のがんなど)も同じ。

 

乳房にがんという異常増殖能力をもった雑草が生えて大きくなってきている現状を”乳がん”雑草生育と現状認知する。

それに対しての目的設定は?

乳がんという雑草が枯れて死ぬこと。

もちろん百パーセント未来は保証されないので、目的が実現出来るかどうかは未知であり、やってみての結果待ち。やってみてのお楽しみである。

乳がん雑草が枯れて死んだらいいなあ! が願いであり、目的である。

 

でも、その問題解決出来る可能性があるからこそ、その問題解決に挑む事が出来る。

 

その目的を実現するために、出来る事は何か?

次に設定することは目標設定である。

 

出来ない事を考えても致し方ない。本質的なことで出来る事は何かを考える。最初に出来るだけ洩れなく理論的に考える。そのためには、まず、人間という自然に対しての知識、認識が重要となる。知識があればこそ、それを具体的な方法に落とし込み、技術として実践実現出来る。また、出来る事があればこそ、さらにやる気も起き、目的に向かって邁進も出来る。

 

体内の雑草を枯死させるために実現出来る具体的な目標を次の4つに設定するのはどうだろうか?

1)雑草の栄養素を減らす

2)雑草の成長促進因子を減らす

3)雑草の成長抑制因子を増やす

4)自然の体内環境を改善する

 

1)に関しては、乳がんという雑草に対しても、健常細胞という芝生に対しても基本的な栄養素は同じである。ただ、現代医学では、それに対してその雑草特有な除草剤として抗がん剤、放射線など特殊な毒をもって対応している。

だが、雑草に特化した毒とはいっても、やはり芝生にとっても毒であり、芝生も無傷ではいられない。

 

2)に関しても、体験的に、経験的に知られている事として心のありよう、心の持ちようも大事である。即ち、感情という物が乳がん雑草の成長促進因子にもなる一方3)の成長抑制因子にもなる。心も心だけで有り得るものではない。

 

たくみの会の超越心理学では、心を明確に定義している。その生成過程を含めて実に明快で、西洋医学を学んできた私の目から見ても、まさに目からうろこ。なるほどと思われる。

 

その理解には、3面の自分というシステムを理解する必要があるが、簡単にいうと、主体という自分(思考)が未来計画を描き、実体の自分が行動することにより生まれた客体という自分が心を形成する。すなわち思考、行動の結果の積み重ねにより生成されるものを心、感情と定義する。さらに、その結果の過去の情報により未来に向けて思考され、次の新たな行動となる。3面の自分の自己循環が滑らかに循環している状態をすこやかととらえる。

 

その結果の乳がん雑草の心の肥料としては、心配、不安、不平、不満、憤り、怒り、恨み、つらみなどがある。そしてそれを他者のせいにする他者依存という思考癖、中核信念を、すべては自分が感覚情報から知覚し、認知し、思考した結果であると素直に3面の自分を受け入れ、全原因自己、すべて自己責任であるという認知にシフト出来れば、乳がん雑草の心の枯れ葉剤として、平穏、安心、感謝、満足、自信となり、乳がん雑草も枯れる方向に向かう。

さらに、その心のありようが循環して、実体としての自分が不眠となり、ストレスを抱え、過緊張状態にまみれる。即ち2)の雑草の良環境、乳がん雑草の成長促進因子となる。逆に3)の心のありようが循環すれば、安眠、癒し、リラックス状態となり乳がん雑草の悪環境、成長阻害因子となる。

 

4)の自然の体内環境に関してであるが、人間にも種々のシステム(系)がある。

血液を固まらせる血液凝固系があれば、その逆の機能を有する血液線溶系もあり、健康時は、そのバランスが取れている。同様に骨においても壊す細胞と作る細胞、破骨細胞と骨細胞を作る骨芽細胞がある。

自律神経系においても相互に拮抗する機能を有する交感神経系と副交感神経系がある。

そして、甲状腺ホルモンを調整する上位のホルモンとして甲状腺刺激ホルモンもあり、視床下部下垂体副腎皮質系を含めた内分泌系もある。さらに液性免疫のみならず細胞性免疫などの免疫系もあり、その他消化器系、呼吸、循環器系、中枢神経系、末梢神経系(求心路、遠心路)、骨格筋運動系と様々なシステムが人間に生まれながら自然に備わっており、科学の進歩によっては精神神経免疫学ともう少し大きくとらえたシステムとして言われることもある。人間全体として最適になるように人間システムが常に働いている。その全体を恒常性(ホメオスタシス)という。

 これらの機能、システムも精妙にコントロールされていると言えば言えるが、精妙なだけに不眠、ストレス、過緊張に直ぐに変調を来すことも確かである。自律神経も、呼吸器系も、循環器系も、消化器官系も。ストレスが強いと便秘になったり、下痢になったり。呼吸が速くなったり、心拍数、血圧が上がったりと。確かに日々時時刻刻に毎分毎秒常にダイナミックに変動している。

この本来のダイナミックな調整能力、恒常性があるからこそ、昔から自然治癒力、自己治癒力、自然良能と言われる機能も発揮される。人間構造、機能維持システムである。

 一方、考える葦であり、考えるからこそ我あり、感情の動物とも言われる主体、実体、客体の三面の自分というシステムもある。これは医学では認識されていないたくみの会の超越心理学の三面の自分という基本的人間システムである。思考、行動、感情という側面を、個々にでは無く、人間全体のシステムとして捉えた未来感覚循環システムと共に、独自のシステムである。

 この点にこそ、従来の医学では思いもよらないアプローチ法が秘められていると言うか、必然的に考えられ、実現出来る。

従来の治療という概念、医療と言う概念、治すという概念を越えるコンセプトとなる。

 しこり形成悪循環に陥るのも、そこから抜けだし、健康促進良循環にするのも誰でもない。

 私はそのほんの少しの手伝いが出来る様になりたい。

もちろん悪循環の手伝いではない、悪循環に陥る状態を知って貰い、そこから抜け出し、本来の人間に達する(達人になる)手伝いだ。

 

従来の医学、心理学で、私もこれまで和真クリニック時代から活用してきた方策、方法、治療法もある。その人自身の機能、能力を引き出すために。

その概略の名前を挙げる。

 

・漸進弛緩法 【3)環境

・音声音楽瞑想催眠治癒療法 【3)環境→感情

・自宅のお風呂を用いての温泉ではない温泉療法【3)環境、4)(2)】

・宇宙工学を応用した血液循環系への疑似無重力療法(−6度の逆さ療法)

  【3)環境、4)(2)】

・臨床動作法の顔への応用のリラックス催眠療法 【3)環境、4)(2)】

・教育動作からさらに発展させた触感認知行動変容リハビリ療法

  【3)環境、4)(2)】

そしてさらにさらにたくみの会の認知の心理学の応用による、

・知覚遮断、認知不成立による畳温泉療法癒し 【3)環境、4)(2)】

今後、余計なことは、言わず、触らずの究極の方法としては、

ありようコピペ療法  【3)環境、4)(1)(2)】

を目指している