身体とありよう認知

崩しの原理:力の伝達と落下


 身体とありよう認知。

 人間はまだまだ未知なる存在といえるが、その時々で捉え方はその観点からも色々あり、知的動物、感情の動物とも言われる。

これまでの捉え方をここでとりあえずまとめて置く。

 人間も物質であり物体である。物質は固体、液体、気体と3態がある。

液体と気体は流体で有り、密閉された静止流体にはパスカルの原理が働いている。

即ち、あらゆる地点の圧力が等しい。さらに、一点に圧が加われば全体に伝わる。

実体としての身体は固体、液体であるが、意識体としてはさらに気体ともなれる。

 各固体よりなる関節によりつながった身体という捉え方も役立つ場合もあるが、重さの力を活用するためにも、リラックスしてゆらぎのある身体が適切であり、関節毎にゆるめて全体がゆらぐようにする必要がある。一方液体ととらえると一々関節を気にする必要は無い。全体のバランスだけ気を付け偏らないようにするだけでよい。気体は大気中で浮くか釣り合うか沈むかのいずれかをイメージすれば常に四方八方に拡散しようとしている状態であり、一々重心、姿勢など気にする必要は無い。

 相手との関係で力の伝達プロセスをデザインする。

 上図で、体重Wkgの人を固体あるいは液体の個体として地球に立っているとしたら、その個体は地球からWkgの反作用(反力)を受ける。

 さらに自分よりも大きい人からその腕力Fで押(圧迫)されたとする。

押された人のありようが固体だと力のぶつかり合いで接触面で居着いて、地球までその力は流れない。

 しかし、そのありようを意識体(流体)に変え、地球にアース(ground)して、静かに浮き(float)して浮き身でいれば、自分自身の重さWkgと共に、FKgの相手の筋力の力も地球に伝えられ、その反力が地球から自分の液体成分を通して相手との接触部から相手に伝搬される。返還循環する。

ここでの注意は、身体を操作して何かしようとすると固体となり流れず、また、自分でブレーキを踏み居着く元となる。何もしないで、パスカルの原理で圧が通るのを知覚し、味わい、待つのみ。

 相手に地球からの反力が達して一度相手がバランスを崩したら接触部は密着したまま何も刺激を加えなければ(知覚遮断)、反力を伝え続けられさらに重力が作用し独りでにそれなりの自然の軌跡で落下する事となる。

もちろん自由落下し動き始めたら接続を継続したままこちらで相互のバランス操作し、ストロークを変えて、相手を地面に安全に軟着陸させることも出来る(浮きと調和の身体運動理論)。

 要は、身体のありようを液体に変えて、地球にアースしもらった圧力を地球からの反力として自在に伝達できる伝導体として維持し、その力の流れをデザインし制御するだけで有り、それにはほとんど力は要らない。存在する重さ、圧を利用させてもらうだけ。 後は、風船を動かす程度の力仕事で十分。

 さらに、最初の力Fは、こちらからの動きで相手に出させても良し、相手自身の力を素直に余すところなくしっかり受け止めるも良し。意識体を意識で動かし、重さを誘導してもよし。実際の身体を動かしその自分の液体成分が動き発生する圧力も力Fと共に相手に浸透伝達するのみ。

 身体のありようを気体とするとこちらと相手の身体の間の空気の層の圧縮を介して相手に圧を伝えることも出来る。

これも物理的な圧力(圧さ)以上にその圧感覚(圧み)を空間接触により相手基準で伝えてやれば、相手は相手で、感覚・知覚・認知し、認知すると風に吹かれたように動くことも可能となる。

 それは立っていても、坐って居ても、寝て居ても同様。

 また、さらに意識体による身体とのアンバランスにより重さを誘導する事により同様に実現可能である。意識体を実とし、身体を虚とすると相手にとっては虚の身体を目標にして運動するが、こちらが意識体を実として受け止め対応すると相手に取っては認知の不成立となり自ずと自然落下が誘発される。

 ありようが変われば相手は相手で、自分基準で自由な運動、行動であり、こちらはこちらで相手に影響されず自分基準で無理なく極自然に当たり前に動く事が可能となる。

 圧、圧迫、力はありがたい、運動の原動力。

 認知、思考さえしっかりすれば、わざわざ身体に命令し運動する必要は無い。コミュニケーションと思考のみで十分! 後は風船を移動させる程度の仕事でフォローするのみ。

 

思考したら、努力せず、身体に任せる。

意図、思考休止、命令しない・号令をかけない。自発運動、経過観察チェック、フォロー!

 さらに大事なのは、目的を意図(下図②)したら、余計なことを考えない、余計なことをしないこと。ただ、自分が出来る事、したいこと(仮説、目標)をただする(下図③)。

この思考すべき時に思考したら、後は思考しないと言うことはかなり困難なことである。そこで、思考と行動の有無のマトリックスを作り、①思考しながら行動する体験、②思考のみの体験 ③行動のみの体験 ④両方何もしない体験を実際にして、それぞれを意識してする事の失敗を通して、かなり困難であることを実感する。完璧で無くても無心の状態を身をもって体験学習すると身体に任せ易くなり、思考後は身体に任せて無心になる感じ。何もしない感じ。任せる感じ。拍子抜けする位何もしない感じが実感され易くなる。

 

 

 相手がどうでも、平静平穏平楽(リラックス)した状態で、相手との関係、接触、接続状況状態を客観的に認知し、相手との接触部分の圧、力、分布、方向などを有り難く感覚、知覚、認知させてもらう(現状認知しモニターする)我々は甲殻類では無いので、手の内でゆるりと接続し続ける。

 準備と途中過程でのありようを継続チェック(内観し続けモニター)し、状況を享受し見守り続けるだけ。なお、チェックも思考で有り、ブレーキなので、最初は歯車を回しているぎこちない状態の動きとなるが、その歯車を減らして次第に滑らかな流れにして行く。一々途中でチェックしなくても終了後に1つの流れとしてチェック可能となる。チェックする必要がなくなることをチェックする。すると、接触部の感触を意識せずに(触感イニシアティブでなくなり)、自分の身体と意識体を調和させ、接触部、相手に対して意識は濃くならず、その場の空間全体に対して、意識体を主体に丹田、肚中心に偏り無く均質に動けるようになり、接触部を分離して身体はゆらいだまま動いてしまうようになる。

そうなると、相手の行動に対しての認知【1】から相手の認知に対しての認知【2】によるコミュニケーションも取れるようになってくる! 即ち行動承認から認知承認レベルにアップ出来る。

 最後にありようとその意識空間のイメージを記する。

個体が固体で部分、局所で頑張り、部分への意識が強いと空間も孤立化し、緊張を伝える緊張空間となる。

個体が液体で、内面では流れるありようなら、緊張も和らぎ伝導体となり空間も和らぎその場に居る人も和らぐ。

固体が気体となると、空間もほんわりゆっくりゆったりのんびりと癒やしの空間が広がり、その場にいるだけで癒される。