頭蓋アンバランスによる調和運動

発電器としての頭蓋の役割


 これまで、身体を新たな観点から認知し直してきた。

即ち、発電器であり、検知器であり、整流増幅器である。

情報発信器であり、受信器であり、情報処理機である。

400の筋肉がオンオフするだけでも2の400乗の情報発信器であること。さらに一個の神経筋ニューロン単位になったら、もう無限の情報発信器である。オールオフでゼロでもあり、一個の固体として1であり、そして2の(400の???乗)乗、無限に近い情報発信器である。


 我々は普段生きて居る中で、目玉は前額面(中心線を通る面)よりも前にあり、頭蓋も軸椎(第二頸椎)、環椎(第一頸椎)で支えられているが、頭蓋底の真ん中で支えているわけではなく、大(後頭)孔(上図)という中心よりも後ろに位置する部位で頸椎と連結している。骨格標本(左図)でも明らかなようにどうしても重さとしては前に偏り、重心は顔の前となる。

 

すなわち、下の図の側面から見た図【2】の様に、普段顔が正面を向いている状態でも、自ずと項、肩、背中、腰に緊張が強いられている状態である。さらに普段の生活では目は水平面より下を見ての生活が多く、さらに負担は大きくなり、緊張は強くなる【1】。

しかしながら、それが坐っても、立っていても顔を正面に向けている様で実は下を向いている状態が普通であり、長年の生活習慣で、その背側への負担、緊張に関しては、感覚が順応し、鈍麻し、知覚、認知出来ない状態となっている。

 

それでも、重さに対する感覚を磨き、実際の首から肩周り、背中、腰、股関節、足裏の感覚、知覚が開き、磨かれていくと常に緊張している状態は認知される様になる。

 

上を向けば、【4】、【5】の様に日常とは違う身体バランスとなり得るが、身を縮めて力んで無理矢理首を上げてしまうとそれは適わなくなる。

 

少なくとも視線が水平より上を向き、上顎(頭蓋)が水平より浮いた状態で、奥歯を噛みしめない状態が、腹側と背中側いずれにも緊張を軽減出来る頭蓋の前後バランスが取れたポジションの様だ!

奥歯は噛みしめなくて良く、前歯も軽く触れ合い、唇は軽く閉じた状態【3】が、腹側にも、背中側にも負担がなく背筋が伸び、肩、肘も落ちられる状態のようだ!

 

ただし、これは決して、頸部のみの話ではない。頸部、上胸部、胸、お腹、上半身、腰、股関節、膝、足首まで全てに影響を与えている。

 

実際の身体状態と感覚がズレている。ギャップがある。前傾してないつもりだが、実は前傾し、前に倒れるのを無意識に足首で踏ん張り、足腰で、背中で、肩でこらえている.

 

まず、この身体の現状を普段は認識出来ない状態になっている。

 

その身体の現状を客観的にきちんと認知し、頸部、項、肩、肘、背中、腰の緊張が解放され、頭蓋の前後のアンバランスが修正され、頭蓋(頭)の重さが踵の前、土踏まずの後縁に落ちれば、ほんの少しのバランスの崩れで、目標の筋肉部位の緊張、弛緩させ、発電する事も、身体の重さを地に流し、そのお返しを身体を通して使えるようにもなる。

その緊張弛緩のムラのない静穏な自然体の状態(自然体)であれば、より微細な筋肉の等尺性収縮で電気的にも、あるいは微小なアンバランスでも、慣性力を打ち破る初動を生み出すことが出来、慣性力を用いて運動をデザインし、運動を継続させることが出来る。